2015/09/20
田村医師会(TIIN)
2014~2015年のインフルエンザ発生報告のまとめ
- 発生報告数は3,394名、過去2年のそれと同程度(表1)
- 人口に対する割合は、田村市:59%、三春町:4.89%、小野町:5.31%(表2)
- 0~15才での発生報告は、田村市:71%、三春町:15.67%、小野町:16.42% (表3)
- 16才以上での発生報告は、田村市:24%、三春町:3.42%、小野町:3.74%(表4)
- 発生報告の経時的推移:例年にくらべて発生が早かったが、総じて平成22~23年、平成24~25年のそれと発生報告パターンが類似していた(図1)。
- 発生のほとんどはA型で、流行後期にB型がわずか(全報告数の1%前後)に発生(図2)。昨年度(図3)とは全く異なった。
- 男女差はなかった(図4)。
- ワクチン接種の有無と発生報告数の多少に関係はなかった(図5-1、図5-2)。ワクチン接種者が未接種者に比較して少数の母集団であると考えると、ワクチン接種で予防効果があったとは言えないようだ。むしろ、今期はワクチン接種による発生予防効果はなかったと考えるべきかもしれない。
- 0~15才でA型罹患者数を検討すると、田村市13%、三春町14%、小野町15%で罹患していた(図6-1、図6-2、図6-3)。
- ワクチン接種への補助がなされた三春町、小野町でワクチン接種の有無でA型およびB型の罹患率に差があったかどうか検討してみると、三春町、小野町でワクチン接種者はそれぞれ58%、57%であったが(図7、図10)、発生報告はワクチン接種の有無にかかわらずA型で15%前後、B型で1%d前後であった (図8、図9、図11、図12)。
- 以上のdataから、今期はワクチン接種での予防効果はなかったと考えた。しかしながら、接種により発病後のインフルエンザ症状に軽重があったかどうかは不明(今後の検討課題)。
今回のまとめ
0~15才での発生報告は16才以上のそれの約4倍であった。今年度のワクチン接種がインフルエンザ罹患防止に有効であるか否かは推測できないが、子供の罹患を少しでも減らすために、来期もさまざまな予防対策をすすめていく必要があると考える。