平成28年度一般社団法人田村医師会総会

平成28年5月21日に一般社団法人田村医師会総会・祝賀会が田村市船引町の迎賓館辰巳屋にて開催されました。

※写真は美正写真館撮影

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田村医師会会長石塚尋朗 挨拶全文

ご出席の皆様

本日平成28年度田村医師会総会祝賀会において、これから永年勤続者表彰・特別永年勤続者表彰そして田村医師会特別功労者の表彰を行います。
永年勤続表彰は毎年田村医師会会員の医療機関または介護施設等で長年にわたり勤務された方を表彰しております。
受賞される皆さんには多年にわたり田村地方の医療そして介護の現場で精勤されたことに医師会を代表して改めて御礼申し上げます。

そして本日は3名の方に田村医師会特別功労賞を受けていただきます。
三人の皆様の功労の内容を少しお話しいたします。そして改めて医師会からの感謝を述べさせていただきます。

初めに、大和田益弘様をご紹介いたします。

平成26年度から診療を開始しました田村地方夜間診療所の開設にあたる協議は、医師会と田村地方の三自治体、そして関係団体である田村消防署・田村薬剤師会などが県中保健福祉事務所のご助言・ご協力をいただきながら進めてまいりました。

皆様もよくご存じのように無から新しいものを築き上げる作業は大変なエネルギーを必要といたします。そして大きな責任をも伴います。
この協議会において大和田さんは協議会の副委員長として膨大な量の作業を完成させ、開所への実質的な責任を果たされました。
この功労に対して田村医師会から深く御礼申し上げます。

そして本日所要のためご不在の伊藤富治前田村消防署長を代表とする田村消防署もこの協議会に参加されご尽力をいただきました。
また、前任者の矢波署長とともにご在任中に田村地方の救急搬送状況について医師会に貴重な情報を提供していただき改善への協議を持つことができました。改めて御礼申し上げます。

そして最後にご紹介いたしますのが遠藤誠作様です。

遠藤様は、元三春町の保健福祉課長をお勤めになられました。県立三春病院が現在の三春町立三春病院に移行した際にその辣腕を振るわれたことは皆様もご存じのとおりです。
私が初めて遠藤様にお目にかかりましたのは遠藤様が三春町保健福祉課長に在任中の平成20年3月にさかのぼります。
そのとき田村医師会は平成20年度から開始された特定健診の体制づくりに関して大きな転換期を迎えておりました。

その頃の田村医師会では、現在のように医師会員に県や国の医師会からの情報が伝達されることが一切なく、医師会と自治体との間で結ばれる委託事業に関する契約内容も会長の独断で決められておりました。
会長をはじめ理事などの役員選挙というものもなく、長年の間医師会員は不本意な状況下におかれておりました。
そのため私はいわき市立総合磐城共立病院の元院長であった義父からいわき医師会の文書を入手して福島県医師会からの情報をかろうじて得ている状態でした。
そのような中で、国が提唱する特定健診の事業が開始されようとしておりました。

当然のように医師会員に何の情報もないままに当時の会長が独断である会社と契約しようとしておりましたのを知り、このような新制度の開始については医師会員全員で話し合うべきであると思い、有志を募り田村特定健診実施医療機関を立ち上げました。
この時に私たちの状況を理解し、協議の場を設けてくださったのがほかならぬ遠藤課長でした。実態はどうであるにせよ、曲がりなりにも医師会長という人がいるために、当時の福島県医師会事務局も困惑し、ここにおられる八巻さんなどは当時福島県医師会理事であった故青山孝先生に事態の改善を求められたと聞きました。

しかしながらこの特定健診実施医療機関の立ち上げを契機に、それまでの田村医師会の在り方が浮き彫りにされ、会長職は当時副会長であった西山先生に移譲され、21年度から私どもが医師会事務局の任を担うことになりました。平成23年度からは会長職を勤めさせていただき今に至っております。
この8年の間、会員をはじめ多くの方から医師会体制の改善についてお褒めの言葉をいただきました。
なかには「先生がもっと早く動いてくれればよかったのに」という人もいました。
しかし、当時私が医師会の在り方について会長に提言しても会長は全く無視を続けており医師会の在り方に同様に不満を抱えながらも表立って同調してくれる会員もありませんでした。
我慢の限界がきて、ついに会合の場で強く発言しようとする私の腕を両側から抑えて「ここはアメリカではないのだから」と阻止した会員たちもいました。
それが実際に現在の体制になってみると「どうしてもっと早くこのようなまともな医師会にしなかったのだろう」などというのです。
よく当時のことを振り返ります。あのとき遠藤課長が私の話を聞いてくれなかったら、田村特定健診実施医療機関というものを協議の対象として認めてくれなかったら一体どうなっていただろうと。

遠藤さんは恩人です。
そして今の田村医師会の在り方を肯定していただける皆様にとっても同じように恩人なのです。そのことをわかっていただきたいと思います。

遠藤課長(あえてそう呼ばせていただきます)有難うございました。

遠藤様はその卓越したビジョンを必要とされ、現在も広くご活躍されておられます。あとで簡単にお話をいただきます。

さて、皆さん、今医師会の改革について述べました。そして現在になって「なぜ早くこのようにしなかったのか」と悔いる人々の存在にもふれました。
後になって発言することは簡単です。
しかしながら真に必要とされるのは、改革という変化をもたらすために戦う気概・勇気なのです。この道を行くのはたやすいことではありません。

この田村にはかつての田村医師会と同様に改革すべきことが存在します。
かつての医師会員たちのように変化を恐れる人々は行動を起こそうとしません。
しかし医療に関して正しい道は一つなのです。住民の福利のためにはどうあるべきなのかを考えるとき、先ず首長さんの強い決断力・行動力が求められます。
これを持たない首長さんは、住民を裏切っていると同じことになります。私はそう思います。

そして心強いことに今の私には多くの関係者が賛同してくれます。県・県医師会・そして福島県立医科大学が私と同じように考えて自治体首長の行動を・決断を見守っています。
田村地方、そして被災した双葉郡の住民のために、医療圏の正常化を行わなければなりません。

一昨日葛尾村の松本村長から田村医師会への医師派遣協力要請文が届きました。
一刻も早く田村医師会管区にある問題を解決し、地元の住民は勿論、被災し未だ帰還されない皆さんもが安心して暮らせる力強い医療圏を構築していかなければなりません。
医師会の使命を果たすために、どのような困難な道のりも歩いて行かなければなりません。

昨年の総会で、この場所で申し上げました。覚えておられる方もあるかと存じます。もう一度言わせていただきます。
この人生は一度きりです。人生の最後に、医師として力いっぱい信じる道を歩き努力してきたという誇りにつつまれて悔いなくいきたいと考えます。そのためにこれからも信じることを発信してまいります。

皆様、本日は有難うございます。授賞者の栄誉を大いに称え、そしてこの懇親会を貴重な情報交換の場として活用し、田村の未来を明るくすべく活躍してくださいますことをお願いして会長挨拶といたします。

 

表彰者

特別永年勤続表彰(勤続30年以上)

  • 御代田禎子(大方医院)
  • 武田純子(大方医院)
  • 鹿又徳一(大方医院)
  • 山口貴子(大方医院)

永年勤続表彰(勤続10年以上)

  • 松崎公代(遠藤医院)
  • 菅野圭子(訪問看護ステーションさくら)
  • 和田愛子(居宅介護支援事業所さくら)
  • 先崎良知(大方医院)
  • 山田良子(大方医院)

特別功労表彰

  • 大和田益弘(前田村市保険福祉部長)
  • 伊藤富治(前田村市消防署長)
  • 遠藤誠作(元三春町保険福祉課長)

 

掲載新聞記事

福島民友新聞社平成28年5月23日
福島民友新聞社(平成28年5月23日)

平成28年度田村医師会総会民報新聞社(5月27日)
福島民報新聞社(平成28年5月27日)